日本語 それは古文から

 塾講師を始めて、5年目に入ります。たった5年のような、あっという間の5年のような。始めた頃に、「一つの職を理解するには最低5年いる」と言われたことをよく思い出します。
 最近。自分のスタイルというか、フォームというか。それがやっと決まってきて。何が何だか分からずにやってた5年前とは全く違う授業をしてます。まず、一斉授業ってあんまりやってないし。市販のテキストも使わず。自分で作った問題冊子をそれぞれでやってもらって、1ページ出来たら個別に見てます。すごいレアケースかも(笑)少人数だからできるんだろうけど。

 それで、一人ひとり見てて感じること。
やっぱり、言葉に頼らなくても生きていける時代になってしまったのかな?ってことと、語彙が減ったな〜ってことです。
例えば、「絵文字」。文字は文字ですけど、これってやっぱり「話し言葉」の一部だと思うんです。携帯メールとかこういう日記では私もガンガン使ってますから、つまりは「誰かに話しかける」時に使うもののような気がします。だから、本来「書く」文章に入れるべきではないと感じてたり。
 私自身、実はそんなに「日本語」というものにこだわりを持っていたわけではないです。ただ単に本読むのが好きだったくらいで。「国語」という科目に対しても、「漢字は好きだけど作文嫌い」という人間でした。受験だって、「小論文書くの嫌だから推薦は受けない」と決めたくらいです(笑)そもそも、専門は国語ではなく、音楽でしたから〜〜(^^ゞ
 でも、仕事柄、「過去の日本語」にも携わるようになって、今よりも生活が不便だったはずの過去の日本人の方が、ずっとずっと言葉に対して真剣だったように思えてきます(^^ゞ   古文を読んでいると、便利な世の中になるほど落としてしまったものを再び見つけられるような気がします・・・。

だから、今現役学生の頃から10年近く経って、古文が好きだと言い切れます(^^)
こんなこと、この仕事に就かなきゃ思いもしなかったでしょうね。

 古文って、やり出すと面白いんですよ。もちろんやり出すまでに覚えなくちゃいけないことが多いから大変なんですが。なんかパズル解いているみたいです。現代語もそうなんですけど、意識せずに使っている言葉や言い回しにはちゃんと原則があって。どんな言語でも結局は「文法」大事です。外国に住めば、話すことは簡単にできるでしょう。でも、論理的に話したり、例えば現地の新聞を読んだりするにはやはり、文法知らなくては正しく読み取れない。これが「書き言葉」と「話し言葉」の違いですよね〜。
 なんか話がずれてきた(爆)それで、その古文。付き合いは受験時代から深くなって、何の因果か10年近くなったわけですが、和歌にしても、随筆にしても、物語にしても。私にとっては「単なる科目」から「文化を味わうもの」に変わってきてます。昔はただの受験科目だったのに。自然と現代語と同じように読んでます。
 日本語の源流を探っているみたいな気分になるのも楽しい。例えば、「ありがとう」の本来の意味。これは有名ですよね。「有難し」元は珍しい、めったにない。の意味。めったにないことは、神の仕業と考えられ、感謝の言葉である「お礼申し上げます」が段々と抜け落ちて出来たそうです。また、今でもかろうじて使うような言葉が普通に使われていたり、同じ言葉にもいろんな意味があったり。これも語彙が多かった証拠ですよね〜。まあ、受験生が一番悩まされるところですが。文脈によって同じ言葉でも意味が変わってしまう。今はそのうちの一つ二つしか残っていないのを見ても、やはり寂しく思います。
 それに、昔の人の情熱的なこと!今の都会人には無いものがありますね。無関心、なんてとんでもないわけですよ。関心事の無い人間=つまらない人間と見られてしまう時代です。でも、現代でもありそうな話が満載でもあります。納得できる考え方とか、今でも通用するような教訓とか。基本的に時代が離れていようとも、人間が感じることは変わらない。
 未だに忘れられてないのが、有名な「伊勢物語」にある話。幼馴染の男女が親の見合いも全て拒否して願い通り結ばれた。と思ったら、男の方が浮気して別の女が出来る(爆)でも、元の女は分かっているのかいないのか、男を快く送り出して、キチッとお化粧をして、帰りの無事を祈る歌を詠む。それに男はいじらしさを感じて浮気解消する。・・・というストーリーです。ね?なんか昼ドラにあるネタがあるでしょう(笑)でも、男が感じた女のいじらしさもじんわりと伝わってくるような。・・・って私だけですかね?(^^ゞ

 かと言って、別に文法が変わって行くことに対しては異論は無いです。古文だって時代の流れでドンドン変わって今の日本語になったわけですから。「ら」抜き言葉とかも仕方ないかな?って気はします。もちろん、まだ文法上(書き言葉上)では「ら」抜きは不正解ですけどね。

 だから、これからの子供たちに、攻めて今残っている言葉の語彙を少しでも増やしてもらいたくて、無理矢理漢字とか意味調べとか要約問題とかやらせてます。
便利なものに目が無い彼らには、そんなもの面倒としか映らないんでしょうけどね。きっと私のように学生が終わった頃に分かったり、あるいは一生分からなかったりするんだろうけど。
でも、それが「日本語」あるいは「国語」を教えていく意義かな〜。なんて5年目を迎えるに当たって思うわけです。

 ・・・やはり、うまくまとまりません。教えてるけど、作文は苦手じゃ〜(><)
尊敬する物書き様の意見に触発されて書いてみました。ヘボい意見文・・・(汗)

そして、勝手にトラックバック(笑)
comments (0) | trackbacks (0) | admin

Talk > 教育語り

Comments

Comment Form

com_End

Trackbacks

tb_End

Cappriccioso(カプリチオーソ:気まぐれ)ブログです。
過去の旅日記・結婚準備期を筆頭に、日々の愚痴、
その他萌え話、こだわり話など「気まぐれに」おいてます。
更新は超不定期・・・

NEW ENTRIES
CALENDAR
Categories
RECOMMEND
【きらきら(初回限定盤)】…
きらきら(初回限定盤)

Music (発売日:2007/07/25)
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
PROFILE
OTHER