ある塾講師のつぶやき

 先日、ぴかさんの地元のデパート閉店セールに行ってきました。
どうせならって、呼び出してお茶してきたわけですvv
(その節はどうもです〜。私も名前出しちゃった。ケーキ美味しかったですよね♪)
2時間くらいだべってましたが、やはり話題は子育て関係が多かったかな?

そこで色々と話したことも含めて、少し最近思うことを書いてみようかな〜と。
少なくても、5年続いたこの仕事。その中で感じたことも少しずつ変わってます。
かなり長いです。興味ある方だけどうぞ。
 子育てって何のためにするかっていったら、日本の未来のためとか自分達の老後のためとか、いろいろ出てくるかもしれないけど、何よりも「その子が将来幸せになるため」ですよね。何をもって「幸せ」というのか、時代が変わるとその価値観も変わるような気がしますが、でも、根本にあるのって、「その人が自分らしく充実した人生を送ること」に尽きると思うんですよね。「幸せ」と感じる基準は、人それぞれあって当たり前だし。他人と比べて「幸せ」なんていうのは、幸福感ではなく単なる優越感に過ぎないし。少し前までは、「良い高校良い大学良い会社に入ること」=「幸せ」みたいな図式もあった。今では「勝ち組」「負け組」なんて分け方もまだあるけど。個人的にこういう、一つの基準で全てを分けるっていう風潮は嫌いです。本人がそれでいいと思ってるなら、それで「勝ち組」でいいじゃないか。って思うわけで。
 今では、良い会社に入っても、リストラされたりして万事安泰とは行かない時代です。幸せの形は、多種多様になってきています。

 子供が将来「幸せ」になるために、ではどうやって育てたらいいのか?塾にいらっしゃる親御さん達の悩みは尽きません。旦那は親御さん達と面談をしたりしてますが、やっぱり皆が皆、子供の悩みをそれぞれに抱えているといいます。こんな時に、私らって無力感を感じるんですよ。こんなに悩んでいる人たちに、何もしてあげられないって。問題が私ら本人のことならいくらでも改善できますけど、言ってしまえば相手は「他人」です。こちらから、どれだけ働きかけをしても、どれだけ時間を割いても、受け取る側に「受け皿」が無ければ、全て流れてしまうのみ。だから、勉強を教えるという以上に、「受け皿」をどうやったら持たせられるのか…。それに心血を注いでいるという感じです。
 私自身、将来的には育ててみたい、とも思ってますけど、たくさんの親御さんを見ていると、「こんなに悩まないといけないのか…私だったらストレスで倒れるだろうな」って、ついつい尻込みしてしまうこともあります。大変なところばかり見ているから、悲観的になってしまっているのは困ったものです(^^ゞ  まあ、実際産んだら変わるんだとは思いますけどね。

 話を戻して。例えば、近年私立中学受験者が非常に増えてますね。うちも例外ではなく、小学生の塾というのは、半分「受験科」で持っているようなものです。実際、その学年の40%くらいが受験科にいます。公立中学の質の悪化で敬遠しているのが最大の原因といわれてますが、正直、本当にヒドイので、気持ち的にはすっっごく分かります。もう、何度中学の先生のやり方に愕然としたことか…。今では「しょうがない」と慣れてしまっているのが怖いくらいです(苦笑)そりゃあ、頭良くてお金さえあれば、私立って考えになるのは否めないかもしれないって思いますもの。こんなひどいのうちの県だけだと思いたいんですけどね…(遠い目)
 でも、この私立熱の上昇に、私は疑問も抱いてます。時に、過熱というのは行き過ぎを生むもの。今まででも言われてましたが、「親の体面」で受験する子は以前よりももっと増えました。「自分がここの学校に行ってみたい」と言って受験する子は非常に少ないです。12歳じゃその判断も難しいでしょうけど。ここで、問題になるのは「私立中でも公立より酷いところがある」ってことなんです。私立中で学級崩壊しているところもあると聞きました。つまり、「何が何でも私立に入れれば幸せになれると思ったら大間違い」ってことです。考えてみれば、私の頃って、頭の良い子が私立に行ったものです。無理せず好奇心をもって勉強できる子が。淡々とスポンジのように知識を吸収していける子が。
 でも今は違うわけですよ。勉強できなくてもやる気がなくても、猫も杓子も私立なわけで。でも、人として大事な「心」の教育をほったらかして受験勉強して詰め込んで、やっとひっかかった学校で落ちこぼれる…。これって、幸せなのかな?って疑問でなりません。こういった子は毎年います。以前は数年に一人くらいだったのに。毎年一人はいるんです。せっかく入った私立で落ちこぼれて、学校行かなくなってしまったり、高いお金払ってるのに授業についていけないからまた塾に来たり。こういうのを見ていると、この子にとって果たして意味があったのか?と思わざるを得ません。
 別に私立受験全体が悪いのではなく、やはりその子の能力にあった学校を選べていない状態が悪いのでしょう。私立中のなかには、資金繰りが厳しいとこもありますから、完全にお客さんになってしまう子もいるってことです。それに、受かればいいけど、落ちた場合、子供の心には必ず傷が残ります。その傷に耐えられないなら受けるべきではないと思うのです。
 
 私立中受験を例に出しましたけど、高校だって大学だって同じです。「入った」だけでゴールではない。そこから先があるわけで。むしろ、その先が人生において重要になるわけで。教師の資格や医者の資格というのはそれなりの教育を受けなければもらえないけど、「幸せになる資格」というのは、学校に行ってもらえるものではないし、人に教えてもらう物でもない。自分で考えて、気付いて行動して実感するものだと思うんですよ。
 だから、その時が来たら「自分で考える」ことができるように、それを子供が小さい頃に教えておかなければならないんじゃないかと。子供を受け身にしないように、自分の足で立って歩けるように。勉強を教えている身でこんなことを言うのは変かもしれませんが、勉強って最終的には人が教えてやることはできないものだとつくづく思います。でも、どんなに最初は勉強嫌いでも、自分で考えることさえできれば、いつかは気付きます。「今やらなきゃいけないんだ」って。
 うちの旦那がその例(笑)旦那は中学2年まで成績悪く、遊び呆けていた人間でした。ア・テストがあるということで中2でやらないとだめだと気付いたそうです。高校でも遊び呆けてましたが、大学受験すると決めた時に、目覚め…そして今は英語教師です。気付く時期は人それぞれ。特に男の子は女の子に比べたら遅いかもだけど、「考える」ことさえ出来れば、気付く時が必ず来るんだと旦那は口癖のように言います。

 いろいろと書いてますけど、私は最近、自分のことをきちっと「考えて行動できる」ならば、自分だけの幸せの形をつかめるんだと強く感じてます。最近の子供たちの様子としては、「無関心・無気力」という状態が増加してるように思えるので。何もしたくない、考えられない、面倒だ…では、自分の幸せどころか他人の幸せなんて想像すらできないでしょう。
 では、「考える」くせはどうしたら身につくのか?答えはそんなに難しくないです。大人が教えすぎないようにすればいい。やってあげ過ぎないようにすれば自分で考えるようになります。これは仕事でも実践してることだったりします。例えば宿題を忘れたって言う子に、「残ってやれ!」って命令する前に「じゃあ、どうしたらいいのかね?」と必ず聞いて。絶対そう言われた子は考えます。いろいろと。もちろん、その中には「どう誤魔化そうか」なんて考えもあるとは思いますがね(笑)自分で考えて言わせるのです。そうすると「自分で言ったことに責任をもって」宿題を残ってやってます。命令されて残った時と、自分で答えてやった時では全然違う表情で帰って行きます。きっと頭への残り方も違うでしょう。
 だからね、大人が子供にしてやれることって、多くなっても子供がパンク状態になるんだと思うんです。それで自分で考える隙もなくなってしまう。大人が、ごくごく当たり前な常識をもって子供に接すれば、ちゃんと子供は言葉でなくても受け取っていくんだと思うんです。最低限、善悪の判断とかを教えていけば。それで健康に育っていけば。「関心を持って放っておく」くらいでちょうど良いんじゃないかな。…この中庸が「子育て」の一番難しいところなんでしょうけどね(^^ゞ

子育てもしてない人間のつぶやきだから、生意気な感じの部分もあったと思います。不快に思った方がいたら申し訳ないです。「言うのは簡単でもやるのは難しい」ってのも分かってます。
でも、これでも塾講師としてお金をもらっています。何人もの子どもを見て来ました。いろんな子の数だけいろんな家庭があった。そこから感じていること、学んだこと。それを私の財産として忘れないようにしたいと思ったわけです。
 
 子育て中の友人に、これから子育てが始まる友達に、少しでも届いたらいいな。
 それぞれの家庭の価値観で構わない。あなたらしく考えて、子供に接していけば、きっとその思いは伝わるから。あまり悩み過ぎないでね。子供は鏡だから、その心配や不安も伝わっちゃうから。
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